県経営者協会は、県内4月の有効求人倍率が21年ぶりに1倍台となり、景気回復の兆しが見られる一方、企業と求職者のミスマッチなどで人手不足の可能性が懸念されるとして、県内主要事業所を対象に今月、「従業員の状況」に関するアンケート調査を行った。約3割の事業所が正社員数が「不足している」と回答し、生産量・サービス量の減少など事業に影響が出ていることが分かった。
正社員の過不足感について「不足」と答えた企業の割合は28・6%。業種別にことし1月の調査と比較すると、製造業で5・8増の25・0%、非製造業で9・4増の32・3%といずれも増加した。不足の影響については、「時間外労働の増加」「生産量・サービス量の減少」「新規事業の抑制・中止・延期」「製商品・サービスの品質低下」などの声が多かった。
ことし1~7月までの従業員の変動は、新規学卒者の入社もあり、8割以上の事業所が「増加した」または「変わらず」と回答。本年度の人材確保・定着のための対策については、「新規学卒者の採用」が最も多く、「中途社員の採用」「パート社員の採用」「ベースアップなどの労働条件の改善」が続いた。
また、消費増税の影響についても調査。消費税の価格転嫁は「全て転嫁できた」が70・4%を占め、「全く転嫁できなかった(しなかった)」は10・4%。駆け込み需要の反動減は、「現在も影響を受けている」が12・0%だった。前年と比較した増税後の売上については、「増加した」は20・8%にとどまり、「減少した」の25・4%を下回った。
今後を含めた消費増税の影響への対策は、「特にしていない」53社、「国内での販路拡大」38社、「人件費以外のコスト削減」34社などだった。
調査期間は7月1日~11日。県内主要事業所483社を対象に実施し、有効回答は133社(27・5%)だった。