６月１日、韓国ソウルの「芸術の殿堂」において、ＮＨＫ交響楽団の演奏会が開催されることになり、私も日本からの参加者２５０名の仲間と共に演奏会に出席させていただくことになった。主催は文化行事に今日まで積極的に協力されていることで有名な錦湖アシアナ文化財団と韓国の大手新聞社である中央日報が共同主催され、日本では国際交流基金（安藤裕康理事長）が後援して開かれる。河村建夫日韓友好議連幹事長、長崎幸太郎代議士（山梨県）、高木宏壽代議士（北海道）や門博文代議士も同行される。和歌山県から有志の県会議員や首長も参加される。
旧知の間柄の錦湖アシアナグループの朴三求会長からご熱心な提案を受けて、日韓協力して、ＮＨＫシンフォニーオーケストラが海を渡ることになった。
プログラムの中では李丙琪駐日韓国大使が祝辞を述べ、同時に別所浩郎在韓国日本国大使もメッセージを述べ、近頃の日韓関係においては珍しく、素晴らしいエールの交換の場となっている。
ＮＨＫ交響楽団が韓国で演奏することは８年ぶりとのことで、音楽ファンや文化人の間での前評判は高い。
錦湖アシアナ文化財団は、「現在の日韓関係は、いくつかの問題により閉塞状況にありますが、こういう時こそ民間レベルの文化交流が活発に行われるべきであり、今後も文化を通じた民間外交に多くの努力を傾注したいと思います」日本の国際交流基金は「政治や外交レベルで課題がある時期だからこそ、人や文化による交流を継続して行い、お互いを知ることで、隣国である日本と韓国の関係発展に寄与したい、この度のＮＨＫ交響楽団のソウル公演がその一助となればと考えています」とそれぞれコメントしている。
先日、韓国中央日報の東京支局長金玄基氏が訪ねて来られて、私の韓国訪問等についてインタビューがあった。
韓国が今、セウォル号の事件等で犠牲者の関係者等が悲しみに暮れている時に、丁度今回の催しとなったため、いささか躊躇しないわけではなかったが、こんな時だからこそ日韓両国が同じ目的で文化事業を積極的に行うところに意義がある。そしてアンコールの際に「Ｇ線上のアリア」等を演奏してもらって、日韓両国の国民レベルで鎮魂の心情を捧げることにもなるのではないかというご意見を各方面からいただいた。
日韓協力の友情の演奏会が大成功に終われることを私は心から期待している。１日の午前中は、和歌山市長選の尾花まさひろ氏の事務所開きに参加の後、関西空港から私は同志と共にソウルに向かいます。
韓国と日本、和歌山県との間に不思議なご縁がある。金忠善将軍は元々日本の武将だった。豊臣秀吉の朝鮮出兵に際し、加藤清正の先鋒隊として攻め込んだが、「この戦いに義はない」として投降した。金忠善将軍以下、全員が貴族に列せられ、土地を分け与えられ、今では１４代、子孫は約７０００人を超えると言われ、友鹿洞に住居を持って、立派な記念会館まで建っている。私が経済産業大臣当時、朴槿恵（パク・クネ）現大統領が５～６名の国会議員と共に大臣室に来られ、この村は偶然にも現大統領の選挙区であることが分った。今、和歌山市の東照宮に立派な記念碑が建立されている。演奏会の翌日、一行のうち希望者が友鹿洞を訪ね、かつての兵士たちのお墓に紀州からお花やお線香を手向けることになっている。