日本の文学界をけん引した新宮市出身の詩人・作家、佐藤春夫(1892―1964)の没後50年を記念した展示「没後50年、佐藤春夫の世界」が、和歌山市西高松の県立図書館閲覧室で開かれている。6月1日まで。
春夫は詩歌をはじめ、小説、童話、戯曲、和歌など多面的に執筆。生涯にわたって数多くの著書を残し、文化勲章を受章した文豪で、今月6日に没後50年を迎えた。日本を代表する作家、谷崎潤一郎や与謝野晶子と交友をもつなど、当時の文学界をもり立てた。
展示では春夫の研究所や著書など130冊を並べている他、知人に宛てたはがき、直筆の原稿、限定300部発行の『一吟双涙抄』(1935年)や初版の『小杯餘瀝集』(1942年)といった著書などの資料約20点を展示している。
足立有希子司書は「文学の第一線で活躍した和歌山出身の佐藤春夫がどんな人だったのかを、資料を通して多くの人に知っていただきたい」と話している。
問い合わせは同館(℡073・436・9500)へ。