紀州材の特性を生かした家を表彰し、同材を使った住宅建築を促す県の「わかやま木の家コンテスト2013~あなたが選ぶ紀州材の家」で、和歌山市新中通の瀧川建築デザイン事務所(瀧川嘉彦代表)が2年連続の最優秀賞に選ばれた。同材の需要拡大に実績のある企業に贈る「平成25年度紀州材ベストユーザー賞」と合わせて、表彰式が17日、県庁知事室で行われた。
同コンテストは、構造や内装に紀州材を使った県内事業者による新築住宅が対象。5回目のことしは15作品の応募があり、建築や林業の有識者による一次審査の後、各作品を県内7カ所で展示し、一般投票(総数4755票)による得票数で賞を決めた。
同デザイン事務所の「木枕(こまくら)の家」が最多603票を獲得し、最優秀賞に輝いた。作品は2階建て、延べ床面積約120平方㍍の住宅。床に通常の2倍、厚さ約3㌢のスギ板を用いるなど、新宮産のヒノキとスギをふんだんに使い、細かい加工を行うよりも、紀州材の良さをストレートに出したという。
瀧川代表は「和歌山は近くに良い木材があり、積極的に使っている。昨年とは違うタイプの作品でまた最優秀賞に選んでいただいてうれしい」と話した。
優秀賞(得票2、3位)は、中村伸吾建築設計室(田辺市新万、中村伸吾代表)の「大きなガラス窓の家」、㈲南建設(串本町串本、南秀治代表取締役)の「陽だまりの家」がそれぞれ選ばれた。
紀州材ベストユーザー賞は21年度に創設した賞で、東京や大阪など県外の木材大消費地で紀州材の需要拡大に実績のある企業などを対象に表彰している。
今回は大賞が2社。平村建設㈱(大阪府泉南市)は、昭和62年から紀州材を使用して多くの寺社仏閣、住宅建築を手掛けてきた。㈱平尾工務店(兵庫県加東市)は、昨年6月までの1年間の実績で紀州材使用の住宅16棟を建設した。特別賞には福島加津也+冨永祥子建築設計事務所(東京都世田谷区)が選ばれた。
表彰式では各受賞者に、仁坂吉伸知事から木製の賞状と記念品が贈られた。