NTT西日本では東日本大震災後、津波・原発事故・大規模停電などに備えて新たな災害対策を検討。「減災」と「初動・復旧」対策を平成24年度から3年計画で実施している。
同震災では、阪神淡路大震災の教訓から内陸部の通信ビルやネットワーク・アクセス設備に甚大な被害は起こらなかったが、大津波によって沿岸部の中継ケーブルや通信ビルが流出・浸水し、被害が広範囲にわたった。
減災対策としては、中継ケーブルの内陸部への移設▽通信ビルの水防▽被災後の早期復旧――など、初動・復旧対策としては、安否確認サービスの高度化▽緊急通信の確保▽GISシステムを活用した情報収集の仕組み作り――などを行っている。
和歌山支店によると現在、沿岸部の整備を進めており、田辺と串本の通信ビルの水防対策(水防扉や外壁補強)を行った他、被災想定箇所の中継ケーブルを地下化。さらに内陸部の迂回(うかい)ルートを新たに構築し、ことし4月から運用を始めるという。
また、通信ビルの活用として県内10自治体と協定を結び、ビルのフロアや屋上の一部を一時避難場所や保管倉庫として提供する。同支店は「大規模災害に備え、通信設備の減災対策や、早期復旧に向けた災害対策訓練などを行い、和歌山における通信の確保に取り組んでいく」と話している。
通信ケーブルの迂回と地下化