民家への強盗未遂事件の犯人は自作自演の元夫だった――。8日午前1時40分ごろ、海南市野尻のパート、女性(41)方に、上下黒色のスエットを着た男が押し入り、1階のリビングで寝ていた女性の口を押さえ付け、ガムテープで目をふさいだ上、金を要求する事件が発生した。
女性が叫び声を上げたところ何も取らずに逃走した。女性は約10分後に110番通報し、海南署が強盗未遂事件として認知。50人以上の警官を緊急配備し、逃げた男の身柄確保に全力を尽くした。女性が通報していたちょうどその時、「どうしたんだ、何かあったのか」と元夫(43)が偶然にも自宅に現れたという。その服装は、逃げた男と似ていたが、動転していた女性は、不審に思わずに、そのまま同署に被害を訴えた。
その後に同署が2人から事情聴取した際、タイミング良く元夫が現れた経緯を追及すると、自作自演を白状した。以前から元妻の女性に復縁を迫っていた元夫は、「恐い目に遭えば家に男性が必要と考えてくれると思った」と打ち明けたという。女性は、この話に怒りを露わにして、「絶対に元夫とは復縁しません」とさらに突き放すことになった。
同署は、女性の自宅が元夫名義だったことや暴行もなかったため住居侵入や暴行容疑の立件は難しいと判断し、元夫を帰したという。